生の短さについて

「幸せ」とは何でしょうか?

健康に暮らせたら幸せ?

美味しいごはんが食べられたら幸せ?

仕事が成功したら幸せ?

もちろんとても大切なことで、幸せです。

◆本の要約

今回、私が読んだ本は哲学者セネカの「生の短さについて」です。本書は3部構成になっています。

第1章の「生の短さについて」では、いかに「現在」という時間が短く、流れすぎていくものなのか。そして、さらにその「現在」という時間を「欲」の追求に浪費してしまう人間が多いことを指摘しています。

第2章の「心の平静さについて」では、精神の弱さ故に精神を平静に保つ必要性が述べられています。精神を平静に保つためには、時には精神にくつろぎを与える必要があり、度が過ぎない程に開放することで、精神に活力が戻ると述べられています。

第3章の「幸福な生について」では、「幸福」な人生について、世間体は考えず、自分が求めたいものに集中することの大切さが述べられています。

◆心が苦しくなった:本書を読むほど「幸せとは何か」がわからない 

私は第1章を読んだとき、心がとても苦しくなりました。

 今までの自分の人生はどうだったか?/私は時間を浪費していたのか?/これまで幸せと感じたことは何か?/それは本当に幸せと言えるものなのか?/単なる欲なのか?/「欲」は「幸せ」とは言えないのか?/「幸せ」は定義できるのか?・・・・

様々なことが頭の中をめぐり、読み進めることが難しいほどでした。

本を読み終え、会社の同僚と「幸せとは何か」について議論を行いました。私は自分の心を少しでも楽にするために、明確な答えを見つけようとしていました。しかし、いくら議論しても、もちろん答えはでてきません。「幸せ」に関する意見はたくさんでました。それでも私は「どれが答えなんだ?」と探してしまいました。

◆心を楽にするには:他者の考えを受け入れること

そのとき、代表の柏野から「自分の意見も他者の意見も俯瞰して見て、どちらも受け入れることも大切だ。」と言われました。

答えはいくつあってもいいし、どれが正解でどれが不正解なんてわかりません。

社会科学の調査には、トライアンギュレーションという考え方があります。一つの視点ではなく、多方面から見ることで本質が見えるという考え方です。

これは人間関係にも応用できると考えます。

日頃、家族や友人、同僚との会話で自分の想定外のことをされたり、言われた場合、

「どうしてこの人はこんなことを言うのか?こんなことをするのか?」

と主観的に捉えるのではなく、相手の観点から、

「あ!そういう見方もできるのか!」と考えることもできます。

相手の意見に反発するよりも、受け入れ、認識すると客観的に考えることができ、より本質的な解が見つかるかもしれません。

そして何より心が楽になります。

◆「幸せ」とは何か?:自分に似合うもの

セネカは2,000年以上も前から「幸福な生」のためには「自分が求めたいものに集中すべきだ」と述べています。「幸せ」とは何かを具体的には示していません。

「自分が求めたいもの」つまり、第三者が決められるものではなく、自分で決めるものだと、セネカは主張しています。

例えば、私は温かいベッドでぐっすり朝まで寝られることを幸せだと感じますが、皆さんにはそんなに大事なことではないかもしれません。逆も然りで、皆さんが「幸せ」だと感じることが、私は大事ではないと感じるかもしれません。

何を「幸せ」とするかは自分で決めることができます。

私はそれぞれの自分で決めた幸せを大切にできる世の中であってほしいと思います。

皆さんもセネカを読んで自分の幸せについて考えてみませんか?

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